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古書画修復について
- ◎古い掛軸がかなり傷んでいます。絵が修理する値打ちがあるのか、あれば修理したいと思うのですが、教えてもらえますか?
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当店では、絵の真贋の判定や・買い取りはいたしませんので、絵の金銭的価値を申し上げることはできません。ただ、落款が読み取れ、美術年鑑などに掲載されているものであれば、作者の情報やそこで掲載れている価格をお知らせはできますが、よほど著名なものでないと、なかなか判りません。ただし最近の大量生産の既製軸や、複製品(印刷物)であることが明らかな場合はそのことを申し上げています。それは、修理するより同種の新品を買い求める方が安く済むこともあるからです。
当店に修復を求められる多くの方は、先祖から受け継いだ物を自分の代で失いたくない。親の形見だから、親が大切にしていたものを粗末に出来ないとか、とにかく自分が気に入っているから修理したいのだとおっしゃいます。
要するに修理するかしないかは、ご自身の作品に対する思い入れだと思います。キザな言い方ですが、作品の価値は、金銭的なものでなく、所有する人の心の中にあると思います。 - ◎テレビ番組の鑑定などで、「修理しない方が良かった。」と言われているのを聞いたことがありますが、どういう事なのでしょうか?
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古いものには、古いなりの良さがあります。著名な作品には、シミ汚れにも歴史があって、それも価値の一つであったりします。また修理によって、新品のように白くなってしまっては、具合の悪い(雰囲気を損ねる)こともあるのです。また、まわりの表装裂が名物裂といって、作品と共に非常に価値があることもあり、この場合は、裂は新しいものに取り替えずに、できるだけ古い裂も再使用すべきです。
放っておいてはどんどん状態が悪くなってしまうほどに、折れていたり、破れたりしているのであれば早急に修理しなくてはなりません。当店の修復では、出来る限り漂白剤などの薬品は使用せずに、作品にダメージを与えないように務め、作品に合った表装裂を選択し修復表装を行っています。
「修理しない方が良かった。」とは、修理をして、作品が時代にそぐわない白さになったとか、作品にそぐわない表装(裂やデザイン)になってしまったということにあります。 - ◎どんなものでも修理できますか?
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原則的に見てみないと分からないと言うのが正直なところですが、これは無理かなと思われるものでも修理してきました。ただ、実際の修復ができる範囲(程度)と、お客様が期待しているレベルが同じかどうかといつも気にはしています。傷ついたり古くなったものは本当のもとには戻りません。(もちろん年代物は新品のようになっても具合が悪いのですが)あらかじめ、どのぐらいまでに修復できるかお話させて頂いております。 それと、近年のドライプレスの表装などの場合は、裏打ち紙が剥がれずに修復できないものもあります。
襖・障子について
- ◎高級襖紙と一般の襖紙の場合とでは張り方が違うのですか?
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襖を張る場合、襖紙1枚だけを張るのではなく、その前に薄い紙を下張りしその上に、襖紙の裏全面に糊を引いて張ります。これを浮け紙と言い、襖紙を補強し、雨の日でもたるまなくなる効果があります。高級和紙を張る場合、襖紙の表面を美しく仕上げ、長持ちさせるには、この浮け紙は上質の手漉き和紙でなくてはなりません。一般品の場合は古紙再生紙です。またできるだけ細かくして張るのがよいのですが、襖紙によって、その下に張る浮け紙の種類と枚数、張り方が違ってくるのです。
- ◎襖がかなりボロボロです。枠(襖椽)も折れていますが、張替ができるでしょうか?
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襖の構造上のタイプにもよります。心材がダンボールや発泡スチロールでできているものは、古くなったり傷んでくると張り替えできません。ねじれたり、染みが出てくるからです。木骨に紙を貼った組子襖なら、 破れていても、骨組子が折れていても修理、下張りをして張り替えることができます。椽の部分取り替えもできます。張り替えて、椽を全て取り替えれば、新調したのと変わらないくらいになります。
- ◎片側が板の物や、ビニルクロスが貼ってあるものでも張り替えられますか?
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できます。襖面は、もちろんですが、廊下や洋間に面している方の壁紙(ビニルクロス等)も貼り替えることができます。
- ◎襖の片面だけの張替はできますか?
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.反りを防ぐため、襖紙の張力のバランスを保つように両面を張り替える事をお勧めします。 ただし、片面が肉筆画であるとか、特に高級な紙で残す場合は、それなりの対処をいたします。
掛軸について
- ◎掛軸が仕上がるまでに、どうして1ヵ月以上もかかるのですか?
- 和紙と澱粉煮糊を用いた伝統工法の場合、その工程で、裏打ちと自然 乾燥を繰り返し、最後の仮張りという干し板にはできるだけ長い間張り付けて乾燥させるほうが、仕上がった際に反りの少ない安定した掛軸となります。 当店ではこの最後の乾燥期間だけで、3週間を見込んでいます
- ◎高級な裂とそうでないものとは何が違うのですか?
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高価な裂というのは、素材が正絹であり、金糸が本金、本銀、プラチナであったりします。正絹ならではの光沢、色の深みがあり、見比べないとわかりにくいかも知れませんが、和服や洋服を選ぶ時のように、手にとって見てみれば大抵の人には、生地・織り・染色などその違い、良さは感じ取れると思います。
額装について
- 額縁はもっているのですが、裏打ちだけでもしてもらえますか?
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もちろんです。ご遠慮なくお申し付け下さい。
巻物
- 家系図を新しく書いてもらって、巻物にしたいのですが?
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系図等があれば、専門家に依頼して書いてもらうことができます。人数など、書く字数によって、揮毫料は変わってきます。お見積をさせて頂きます。
屏風
- ◎屏風には規定の大きさがあるのですか?
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昔から使用されてきた本間六曲や本間二曲屏風は、広げた幅がそれぞれ2間、1間で、高さはその部屋の敷居から鴨居までの高さに合わせました。また、風炉先屏風は、幅は茶室の畳の寸法に合わせなければなりません。現在では、今の住空間にマッチした屏風、パーティションが求められています。従来の寸法にこだわる必要はありません。どのようなお部屋で、どのようにお使いになるか、張り込む作品の有無などをご相談頂ければ、使い勝手の良い大きさ、デザインなどご提案、製作いたします。
壁装
- ◎和紙壁紙はメンテナンスが大変と聞きましたが。
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壁装用のものであれば、撥水加工や、汚れ防止のコーティングをした物がありますが、確かに一般のビニルクロスに比べ、傷や汚れが付きやすく、基本的に水拭きなどができないと思っていて下さい。特に、手漉き和紙や、本鳥の子紙などはとてもデリケートなものが多く、それらは使用する場所を考慮する必要があります。