障子(しょうじ)
障子は昼間は陽光を柔らかく室内全体に拡散し、夜は照明光の反射面となり室内をより明るくします。
また、外からの視線と騒音を遮断し、断熱、保温にもすぐれ、調湿の効果もあります 。
障子本体を製作するのは元々、建具屋さんの仕事ですが、当店でも仕入れ、新調することができます。表具師としては紙貼りの作業が腕の見せ所です。障子紙の切り口をきれいに裁つ、雨の日でも弛まないように張ります。茶室障子の石垣張りなどはあえて紙の継ぎ目をデザインとして見せるものです。
障子紙の種類
本美濃紙 | 楮100%の最高級手漉き障子紙で、漂白処理をしていないものを未晒し・赤口といい、パルプ紙のように純白ではありませんが、上品な落ち着いた白さです。漂白薬品で繊維を痛めていない分、耐久性があり、日光にさらされ一旦白くなって後、徐々に色付き(黄変)始めるので、他の障子紙に比べ長持ちします。 大きさは通常、二三判(約60cm×90cm )。 |
機械漉楮紙 | 楮、マニラ麻、ビニロンなどの混抄紙。漉き和紙の楮的な感覚を残し独特の風合いと強度を持ちます。 |
レーヨン・パルプ紙 | レーヨンとパルプとの混抄、レーヨンの比率が高いほど丈夫。 |
プラスチック障子紙 | レーヨン障子紙にプラスチックフィルムで両面または裏面ラミネートしたもの。通気性が少なく耐水性、断熱性が高い。通常の糊では接着せず、ボンド系のものを使用するので、張替が容易ではなくなります。和風照明の傘や飲食店向き。 |
模様入り | 長繊維の紙料を漉き込んだ、「雲龍紙」や、透かし模様での「麻の葉」や、「青海波」などの美術紙があります。 |
草花漉き込み | 手漉き。シダの葉やモミジ等の草花、蝶などを漉き込んだ紙です。 |
石垣張り 千鳥張り
昔の手漉き和紙のサイズは小判(縦約30cm×横約40cm)のもので、これを接いで障子に張っていましたが、いつしかその継ぎ目をデザインとして美しく見せる張り方をするようになりました。
この張り方は、「石垣張り」とも「千鳥張り」ともいわれ、いまでも御所や桂離宮をはじめ一般茶室にもこの張り方をしています。
石垣張り 表
石垣張り 裏